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熱田神宮へ初詣、宝物館

      2015/08/30

熱田神宮

熱田神宮へ初詣に出かけて、ついでに宝物館を見物してきました。
雪がはらはらと降る中、とにかく寒かった。


熱田神宮の宝物館は常設展があって割といつでも開いているのですが、現在は特別展として出雲大社の所蔵品が展示されているようです。拝観料は800円ですが、出雲に行くよりは安い。(適当な物言い)

熱田神宮はやまたのおろちから出てきた天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)、後の草薙剣を御神体としているとのことです。そして出雲大社には大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が祀られています。
もともと日本の国を治めていたのは大国主大神、つまりスサノオの子孫ですが、アマテラスが治める天界の皆様が「我らこそが統治すべきですよ」と主張してオオクニヌシに国を譲るように言います。で、色々あって、オオクニヌシは国を譲ることにしたのですが、その際に「代わりに天界のものくらい立派な建物を立ててください、そしたら引き籠りますんで」と条件を出します。そして出来たのが、立派な出雲大社というわけです。
一方、ようやく日本の統治権をゲットしたアマテラスは、スサノオからもらった天叢雲剣をニニギ(正式名称長い)に持たせて日本へと光臨させます。三種の神器のひとつとなったその剣はなんやかんやあって伊勢神宮に納められていましたが、ヤマトタケルの東征の折にヤマトタケルが持つこととなり、敵の放った野火に囲まれた折にピンチを救う事になった経緯から「草薙剣」と称されることになりました。最終的にはヤマトタケルさんは今の名古屋にいた妻のひとり、宮簀媛(ミヤズヒメ)に剣を預け、ミヤズヒメは熱田神宮に祀ることにしました。

というわけで、宝物館です。
熱田神宮 宝物館
まあ、これ以外は撮影禁止です。
でも、この太刀すっごい長いですね。

展示物はさほど量としては多くはないのですが、とにかく見応えはありました。
まず、(三種の神器のアレではない)勾玉。出土品の勾玉ですが、あんなに綺麗で澄んだ石だとは思っていませんでした。色が付いているのは予想していましたが、あんなにもキレイなものだったとは。そら、宝物たりうるなと思いました。あと、予想していたより大きい。
同時に、ほんの数mm程度の石製のリングが、とても手作りとは思えないレベルでした。あんなにきれいに丸く加工して、さらに内側をくりぬくとかどうやってるんだ。本当に。

色々なものに重要文化財、或いは国宝といった掲示がされていますが、書籍類は大抵鎌倉~江戸時代のものでした。鎌倉辺りのものは手書きですが、江戸時代になると、明らかに版刷りだったりします。日本書紀や古事記などの本が展示されていました。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を」の句もありましたよ。

なお、一番びっくりしたのは、設計図です。
出雲大社等の御社の改築等々の図面があったのですが、まず罫線が(かなりしっかり)引かれていることにびっくりです。そして現在の間取り図のように、ちゃんとドア(引き戸)の部分等が一目で判るように書き込まれていたのがびっくり。さらに、曲線も直線もキレイに書かれていることにびっくりです。そのうえ、橋(庭園に渡すような小さな橋)については、別途用意した「橋パーツ図」の紙を後から糊で貼ってあることにびっくり。何より最後に、朱色の墨も色鮮やかに残っていることにびっくり。黒以外って経年劣化するんじゃないかとなんとなく思っていましたが、朱墨も金属系の色なんですかね。
やっぱり、建築学ってのは古い学問なのだなぁ、と思ってしまいました。そりゃ、出雲大社くらい大きなもの、適当に作ってなんとかなるわけないよね~。

あとは古い時代の道具箱、衣装や正宗や村正なんてカタナがあったり、とある村の人が出雲大社に参拝してすがるには距離が遠く、止む無く地元の川に銅銭を入れた木船を流して出雲に祈願した、その木船(と銅銭)が展示されていたり。結構見応えありました。

というわけで、新年早々、なかなか楽しかったです。
特別展は、2015年1月27日までだそうですよ。

では。

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