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DEMELのザッハトルテを食べた。

      2015/08/30

デメルのザッハトルテ

前回までのあらすじ
ぼんやりとほぼ日のザッハトルテを買おうと待っていたのに、気がついたら売り切れ。あまりの悔しさに「ザッハトルテを買い損ねたならザッハトルテを買えばいいじゃない」と考えてザッハトルテを買いにいく。何を言いたいのかわからない文章である。


「デメルを訪れずしてウィーンを語るなかれ」
というのが本当かどうかはわかりませんが、デメルの公式サイトに書かれています。すごいな。
デメル(DEMEL)はその昔、ウィーンの王室御用達だったケーキ店。ザッハトルテを作ったのはザッハーさんという人ですが、ザッハーさんの弟が経営を始めたホテル、「ホテル・ザッハー」が三代目ザッハーの時に財政難に。資金援助して助けたのがデメルであり、その見返りとしてデメルはザッハトルテの販売権を得たのでした。
まあ、その後少しの揉め事や紆余曲折もあり、現在ではデメルがつくるザッハトルテは「デメルのザッハトルテ(Demel’s SacherTorte)」、ホテル・ザッハーのトルテは「オリジナルザッハートルテ(Original Sacher-Torte)」として販売されるようになったとか。

ザッハートルテはチョコレートがずっしりとしたスポンジ生地とコーティングするチョコレート、そして杏のジャムが3つの構成要素だと思うのですが、この中でも杏のジャムについて、オリジナルザッハートルテはスポンジにも挟んでいるのに対して、デメルのザッハトルテは表面に塗ってあるだけなのだとか。まあレシピの違いというやつです。

ちなみに、ほぼ日のシュヴェステルンハウスさんのザッハトルテは、オリジナルのように多分ジャムが内部にも入ってる、気がしないでもない。程よい酸味があったような気がするので。いかんせん、去年のことだもんな、覚えてない。

まあ能書き垂れつつ先に進みます、デメルのザッハトルテです。
デメルのザッハトルテ
なんか高級そうな箱です。
デメルのザッハトルテ
なんか高級そうです。アバウトな感想過ぎる。

ちなみにふたに書いてある文章、

Eduard Sacher Torte
Erzeugnis Ch. Demel’s Söhne

これについて調べてみました。(3行目に小さく書いてあるのはウィーンの本店の住所)

デメル・ジャパンではないデメルの公式サイトでHistoryをざらっと呼んでみたら、デメルの初代となるクリストフ・デメル(Christoph Demel)が、自分が働いていた店の店主の息子の代に、店を譲り受けたのが始まりなのだとか。
で、クリストフの後は息子のヨゼフとカール(Josef/Carl)が店を継ぎ、最終的には

“K. u. K. Hofzuckerbäcker Ch. Demel’s Söhne” (“Imperial and Royal Court Confectionary Bakery Ch. Demel’s Sons”)

「皇室・王室御用達菓子製造、クリストフ・デメルの息子たち」と名乗ることにしたのだそうです。文章に「in the end」「consequentially」なんて書かれていますから、色々あったんでしょうね。しかしそんなことを調べていたらチョコが溶けそうです。
で、まあともかくここの要点はCh. Demel’s Söhneがいわば店名に等しいものだということ。
ですから、この文章をあえて訳してみると、「”クリストフ・デメルの息子たち”プロデュース エドゥアルド・ザッハトルテ」くらいな感じでしょうか。Eduardは人名です。Eduard Demelさんのザッハトルテってことです。・・・がんばって調べてまで読むほどのことではなかった。しかし、ザッハトルテというデザートは保持しているタイトルが重要なのでしょう。きっと。

パチッと留め金を外し、箱を開きます。
デメルのザッハトルテ
何かカードが入ってます。
デメルのザッハトルテ
K.u.K.は「Kaiserlich und Königlich」Imperial and Royalの略です。
デメルのザッハトルテ
なんとハスプブルグの紋章を使っていると書いてあります。
ハスプブルグ家って。マリア・テレジア、マリー・アントワネットですよ。
老舗っぷりがすごい。
デメルのザッハトルテ
カットの仕方。切り方。ナイフを温めるのは大事。
デメルのザッハトルテ
そしてようやく本体です。
三角形の板チョコが載せられています。
この板チョコにも文字が書かれていますが、解説が添えられていました。
デメルのザッハトルテ
引用すると、

「(フランツ・ザッハの息子)エドワードによる正真正銘のデメルのザッハトルテ」

と書かれているのだとか。
ともあれ、温めたナイフで切りました。
デメルのザッハトルテ
そして、食らいました。
デメルのザッハトルテ
感想。(ようやく)

ものすごい甘いです。コーティングされたチョコとか、ザリザリするくらい甘いです。ミルクティーなど用意したのですが、砂糖なしで十分楽しめました。いや、甘くてびっくりした。

しかし、こう書いていてふと思い出したのですが、昔ドイツ人からやたらお菓子をもらうという時期があったのですが、どれもこれも口がしびれるくらい甘かった。なるほど、国を挙げてこういう甘さの趣向なのか、と納得をしました。今納得した。

というわけで、今年のザッハトルテ体験は終了です。
来年はぼんやりしないように注意したいと思います。

ではでは。

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