ガイズ・アンド・ドールズ（2015年星組）

2015/09/22

観劇してきました。安定と安心の星組。

伝説のにょにょさんこと柚希礼音さんがご退団後、専科からトップスターに就任をされた北翔海莉さんと、トップ娘役の妃海風さんの大海賊に続く宝塚大劇場お披露目公演だそうです。もうすぐ、千秋楽。
ざっくばらんな感想。宝塚素人の私から見ると、北翔海莉さんは本当に宝塚歌劇団の男役イメージがそのままの方だと思います。いちいちポーズがツパッと決まり、立ち姿もピシッとしていて、そして包容力がある感じ。専科にいらっしゃっただけに、歌も踊りも芝居も申し分なく、今回トップ娘役に就任した妃海風さんも同じく三拍子決まってるお嬢さんなので、芝居は始終、安心して観劇できました。恐らく、私は実物を知りませんが「古き良き宝塚」という感じ？

ガイズ・アンド・ドールズという演目は、とてもコミカルなミュージカルです。ギャンブラーの男と教会で規律を説く女が恋に落ちるお話です。周囲の人物のサブストーリーも流れているので、始終少し笑いを含みながら物語は進行します。恐らくなのですが、この二人のスターが演じる演目としては、よく似合っていた。

あえていうなら、柚希礼音さんが持っていた、あの派手で勢いがあって力がある、あの多くの人を魅了し続けた感覚のようなものは星組から静かに消えていたと思います。スターさんの色というものを見た感じがします。柚希礼音さんの次としては地味だけど、恐らく他の人が務めていたら多分、地味どころか吹っ飛んでいたのかもしれない。北翔海莉さんと妃海風さんだからこそ「地味ながらも宝塚らしい」で踏みとどまれたのかもしれませんね。

という、素人感想は置いといて、今回の演目での私の思う個人的MVPはアデレイド役の礼真琴さんです。ストーリー進行から見てサブ主人公的な、やはりギャンブラーの男である「ネイサン・デトロイト」の万年婚約者であるアデレイド。万年婚約者、という辺りにギャンブル好きでうだつが上がらない男に恋した女性の色々と複雑なものが表現されていますね。ネイサンとやりあってみたり、ヒロインと絡んでみたり、舞台の重要なシーンのいくつかのカギとなる女性ですが、彼女はとても上手に演じていました。普段は男役さんだそうですが、微妙におかまでもなく、かといって完全にかわいらしい娘役さんでもなく、「ちょうどよい塩梅」の演じられ方だったように思います。歌も踊りもお芝居も光っていて、将来がとても楽しみな方です。

ちなみに、ブロードウェイミュージカル的な感じの芝居だと思っていましたが、全体的にナントカ花月の匂いがしました。おかしいね。ギャグに皆でこける感じ。あの感じ。テンポがとてもよくて、私は楽しめましたが、腑に落ちない気は少ししました。

というわけで、感想でした。
次回は、ようこそ光源氏。