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宝塚歌劇「ME AND MY GIRL」

      2015/08/29

宝塚歌劇団 2013年月組 Me and My Girl 龍真咲

梅田芸術劇場で公演していた月組のミー・アンド・マイ・ガールを観てきました。


感想を一言で言うなら、いや面白かったです。
いくつかDVDを観たことはありますが、生で観劇するのは初めてです。

順番に感想を述べると、トップスターの龍真咲さんと娘役の愛希れいかさんは、いやとても安定していました。演技も歌もダンスも安心してストーリーを楽しめました。サリーの歌う「あなたの心を一度なくすと」は、透明感のある声でしっとり歌われていたと思います。心地よくて少し眠りかけた。この日、私は早起きをしたのでした。

この演目の面白いところは、基本的には喜劇なので特色豊かな脇役がそろっていることだと思います。私がDVDで見たのは1995年月組(天海祐希麻乃佳世)と、2008年月組(瀬奈じゅん彩乃かなみ)の2つなのですが、一番のお気に入りは2008年月組です。トップの二人もとても愛嬌があるのはもちろんですが、脇を固めている人たちがとてもユニークな演技をしていたと思います。

で、今回はどうかというと。

パーチェスターはDVDでは1995年、2008年のどちらも未沙のえるさんが演じてましたが、今回は星条海斗さん。(役代わりで沙央くらまさんが演じられてる日もあるようです。パーチェスターと執事のヘザーセットを2人で役代わりでやられている様子。)随分スマートでかっこよいパーチェスターになりましたが、とても味があってよかったと思います。一番は、とにかく声が良いですね。

ジャクリーンは凪七瑠海さん。(こちらも今回、美弥るりかさんと2人でジェラルドとの役代わりをされている様子。)1995年月組では真琴つばささんが演じられていたのですが、それを見て以来、私の中ではジャクリーンはオカマということになっています。おかしいな女性が演じているのに。
しかしながら、今回のジャクリーンは普通にきれいな女性でした。ソファーの上で(片足どころか)両足気前よくあげていたのは、なんだ、思い切り良すぎませんか?んでもって、ジャクリーンのテーマと私が勝手に考えているあの歌。「さぁ~今に見てごらん、トップに登るわ~」というあれ。あれは音域がちょっと難しい曲なのではないかと薄々感じているのですが、上手に歌い上げられていました。ブラボー。

さらに、ジョン卿。越乃リュウさんが演じられていました。なんだろう、年配の分別ある役柄をとても普通に演じられていて、普通過ぎて何の違和感もなく、素晴らしかった。「世界は回る止められない」のあの歌もよかった。

そして私が個人的に一番注目したのは、マリア公爵夫人。2008年月組では出雲綾さんが演じられていたのですが、今回演じられたのは憧花ゆりのさん。や。素晴らしかった。なんていうか、出雲さんのようなコミカル成分はあまりありませんでしたが、「それでも甥を血のつながった家族として辛抱強く見守る」マリア夫人を余すことなく演じられていたと思います。
マリア夫人といえば図書室でご先祖たちと一緒に歌う“ヘアフォードの歌”だと思うのですが、大変歯切れよく朗々と歌われていたと思います。でも、ちょっとだけ先祖たちの音量に圧されて聞こえにくかったのは残念だった。

以上、感想でした。

 - 文化芸術, 演劇