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パイロットペンクリニックに行ってきました。

      2015/08/30

パイロット ペンクリニック

パイロットのペンクリニックに行ってきました。
2014年2月21日、名古屋の栄というところにある丸善さんでのイベントです。


実のところ、パイロットさんの万年筆は持っていないわけですが、どこのペンでもお一人様2本までどうぞ、という大変懐深い注意書きがあったので、プラチナ万年筆のCentury #3776と、VISIONNAIREを持ち込みました。#3776は十分調子がよいのですが、紙にカシカシと引っかかる感覚がEFだから然るべきなのかをお伺いしたくて、そしてVISIONNAIREは書き出しが掠れるので、という理由です。

診てくださったのは、土田先生という方でした。
温厚で気さくな印象のする方で、それでもちょっぴり(本当にいいのかなー)と思いつつVISIONNAIREをお願いしつつ差し出すと、さっとルーペで先端を確認して、ひとこと。先端の左右がずれてますね。あとペンポイントがね…と、お渡ししたVISIONNAIREで唐突に明快にご解説してくださいました。
万年筆の先端、ペンポイントの絵をささっと描いて、ペンポイントをつけてスリットを入れた後に適切に丸めておかないとインクがしっかりとペン先に出てこない、ような主旨の説明をいただいたような気がしますが、緊張してて正直あまりちゃんと覚えきれていない。この記述が間違いである場合、全面的に私の問題です。しかしその瞬間は明快に理解していた気がするのですが、文章にすると思いの外自分の記憶の曖昧さに驚きます。
ともかく、ずれているペン先をカシカシと(予想していたよりも繊細ではない、割と大胆な動作で)修正、その後サンドペーパーらしきものを数種類使いながらカシカシと磨いてくださった結果、ものすごく書き出しが正常になりました。インク出る。掠れない。

そして後はねじ式のキャップとパチリと止めるタイプのキャップでの、インクの乾きについて説明もいただきました。VISIONNAIREはカチリと止めるタイプなので、まあ乾くのはやむを得ないことという理解。まあこれはこれで結構気に入っている万年筆なので、それならそうと知って付き合っていけばよいのだと思います。

後はCentury #3776。こちらは特に問題もなく、そしてEFである以上、紙にカリカリとする感じは正常だと教えていただきました。正常なら一安心です。安心してカシカシできるってものです。

万年筆は名前の通り長く使えるペンですが、こうして手入れをしていただける機会が得られることは安心ですし、愛着も湧いてきます。全国で定期的に(今回お世話になったパイロットさんだけではなく、メーカー各社それぞれに)開催されているクリニック、これはきっとものすごく良質で、よい意味で会社としてのプライドがあるサービスなのだと思います。そして、ペンドクターの先生方は、その誇りを支える職人さんなのだと思います。そういう仕事はいい。ぜひ大人になったらペンドクターになりたい。

というわけで、感想でした。
土田先生、ありがとうございました。

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